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韓ドラを見始めたら、日本のドラマは見られなくなる?−長編だからこそ生まれる「感情移入」と、変わりつつある話数トレンド−

韓国ドラマ

韓ドラの“沼”にハマると、日本のドラマが物足りなく感じる理由

「一度韓国ドラマにハマると、日本のドラマには戻れなくなる」——。
これは、韓ドラファンの間でよく耳にする言葉です。私自身、気づけば次から次へと韓ドラを見ていて、日本のドラマに対して“どこか物足りない”と感じることが増えました。

もちろん、日本の作品にも光る魅力はたくさんあるのですが、それでも韓ドラ特有の没入感には、何か特別なものがあります。その理由の一つが、“話数の多さ”にあるのではないかと思っています。


韓国ドラマの定番といえば、16話、20話を超えるような長編スタイル

韓国ドラマの多くは、16話や20話が基本。時代劇や家族ものでは、50話以上にわたって展開されることもあります。こうした長編スタイルは、物語に厚みを持たせるだけでなく、登場人物一人ひとりの背景や心の動きまで、じっくりと描けるのが大きな魅力です。

例えば、主人公の成長過程や葛藤はもちろん、サブキャラの人生や脇役同士のドラマにもしっかり時間が割かれていて、視聴者としては自然と感情移入が深まっていきます。

単に“ドラマを観ている”というより、“彼らと一緒に生きている”ような感覚。これが、韓ドラ特有の「沼」と呼ばれる魅力なのかもしれません。


最近増えてきた“短尺”韓ドラ。その背景にある変化とは?

ここ数年、NetflixやDisney+などグローバル配信の広がりとともに、韓国ドラマにも変化が見られるようになってきました。
特に目立つのが、“話数の短縮”です。全8話、全10話といった構成の作品が増え、サクッと見られる“タイパ(タイムパフォーマンス)重視型”の韓ドラが主流になりつつある印象もあります。

この流れには、いくつか理由があります:

  • 忙しい現代人に合わせた「短時間で満足感が得られる構成」へのニーズ
  • グローバル市場を意識した、より洗練されたテンポのある展開
  • 俳優のギャラや制作コストの高騰による、効率重視の制作体制
  • 若い世代の視聴習慣の変化(YouTubeやTikTok世代の“短く・早く”という傾向)

こうした背景から、韓国ドラマも「見始めやすさ」「テンポの良さ」が重視される傾向が強まっています。


短尺化のメリットと、見落とされがちな“デメリット”

たしかに、短尺ドラマは手軽に楽しめるし、内容もコンパクトにまとまっていて魅力的です。
「1日で完走できる韓ドラ」として、新規の視聴者層を取り込むにはぴったりのスタイルでしょう。

ただ、反面、物語の奥行きやキャラクターの描写がやや薄くなりがちなのも事実。恋愛の進展が早すぎて共感できない、キャラの行動に説得力がないと感じることもあります。

かつてのように、じっくり時間をかけて育まれていく関係性や、背景にある人間模様に心を動かされた経験がある人ほど、「もう少し時間をかけて描いてほしい」と感じるかもしれません。


「長編」と「短編」、どちらかが主流になるわけではない

最近でも、話数のある作品が大きな人気を集めています。たとえば『涙の女王』(全16話)は、丁寧な人物描写と感情の積み重ねが共感を呼び、国内外で高評価を得ました。

このように、長い話数であっても、緻密に構成されたストーリーが評価される傾向は今も健在です。
むしろ、話数の多さそのものが重要なのではなく、「時間をどう使ってキャラクターを描くか」という点が、作品の価値を左右していると感じます。


まとめ:韓ドラの話数は“多様化の時代”へ

これから先、日本のドラマのように12話前後の韓ドラが増えていくのは間違いないでしょう。
でもそれは、「長編がなくなる」という意味ではなく、「選択肢が増える」ということ。

短い話数でテンポよく展開されるドラマも、長編でじっくり感情移入できるドラマも、どちらも共存する時代に入ったと感じています。
その時々の気分や、求める“感動の深さ”に合わせて、私たち視聴者が自由に選べるようになる。それって、とても豊かなことですよね。

韓国ドラマの魅力は、時代とともに少しずつ変化しながらも、「心を動かす力」をいつまでも持ち続けてくれるはず。
これからも、そんな多様な作品との出会いを楽しみにしていきたいと思います。