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【韓国ドラマ感想】「愛する盗賊様よ」ホン・ギルドンが女性だったら?入れ替わりが面白い時代劇

韓ドラレビュー/特集

待ってました!

時代劇好きの私が、見放題になるのをずっと待っていた韓国ドラマです。

『愛する盗賊様よ』がU-NEXTで見放題になったので、さっそく視聴。

あらすじも予告もなるべく見ないよう我慢して、まっさらな状態で再生したのですが……いや~、面白かった!

お金持ちから米を盗んで、貧しい民に配る。名前はギルドン。

もしかしてホン・ギルドンをモチーフにしてる?と思ったけど——主人公は、女性ですよ?

まさか、あのホン・ギルドンを女性で?

しかもこの作品、途中で主人公二人の魂が入れ替わります。

なぜタイムスリップでも憑依でもなく、入れ替わり?

観ながらずっと引っかかっていたその意味が、最終回で、ようやく腑に落ちました。

今回は、そんな『愛する盗賊様よ』を観た感想を、まずはネタバレ控えめで紹介します。

結末についての感想は、記事のいちばん最後に分けて書いたので、未視聴の方は、うっかり進まないようご注意を(笑)

1.あらすじ

主人公のホン・ウンジョ(ナム・ジヒョン)は、庶民のための医療機関・恵民署(ヘミンソ)の医女。

昼は貧しい病人を診て、夜になると、私腹を肥やす役人の蔵を荒らします。

奪ったものは、民へ。いつしか人々は、その盗賊を「ギルドン」と呼ぶようになりました。

彼女は、両班の父と賤民の母のあいだに生まれた娘。この国では、生まれた瞬間から半人前として扱われる立場です。

一方のイ・ヨル(ムン・サンミン)は、現王の異母弟にあたるトウォル大君。

無能を装っていますが、実際は捕盗庁に入り浸って事件を追うほどの切れ者。その勘の鋭さは本職顔負けです。

そのイ・ヨルが、都を騒がせるギルドンを追いはじめます。

追う者と、追われる者。生まれも身分も、これ以上ないほど遠い二人。

ところが、ある出来事をきっかけに、二人の魂が入れ替わってしまいます。

2.作品情報

  • タイトル:愛する盗賊様よ
  • 原題:은애하는 도적님아
  • ジャンル:時代劇/ファンタジーロマンス/ロマンティックコメディ
  • 放送期間:2026年1月3日〜2月22日(毎週土・日曜)
  • チャンネル:KBS2
  • 配信:U-NEXT(日本初・独占配信/本国と同時配信)
  • 話数:全16話
  • 監督・脚本:演出=ハム・ヨンゴル/共同演出=イ・ガラム/脚本=イ・ソン
  • 主な出演者:ナム・ジヒョン(ホン・ウンジョ)、ムン・サンミン(イ・ヨル)、ホン・ミンギ(イム・ジェイ)、ハン・ソウン(シン・ヘリム)、チェ・ウォニョン(イム・サヒョン)、ハ・ソクチン(イ・ギュ)
  • 原作:なし(オリジナル脚本/2020年スタジオドラゴン脚本公募展 優秀賞受賞作)

3.結論(観るのを迷っている方へ)

時代劇好きはもちろん、韓ドラ初心者にもおすすめ!

時代劇をずっと観てきた私も、しっかり満足できました。

理由は、韓ドラの王道シチュエーションが、全部入っているから。

身分差。すれ違い。コメディ。アクション。そして終盤の怒涛の伏線回収。

しかも全16話。長すぎず、短すぎず、満足度の高い分量です。

主人公の二人が入れ替わるので、「今どっち?」とややこしく感じるところもありますが、物語の中心にいるのは基本的にこの二人。

登場人物も多すぎないので、二人の感情の変化をじっくり追いかけられます。

時代劇デビュー作にこれを選べる人、うらやましい……!

4.見どころ

■「もしホン・ギルドンが女性だったら」という発想

ホン・ギルドンといえば、韓国の古典小説『洪吉童伝』の主人公。義賊の代名詞で、知らない人がいないくらいの存在です。

日本でいう桃太郎のように、子どもでも名前を知っている、という感じでしょうか。

ただ、私が知っている洪吉童は男性です。それを、女性でやる。この発想が、すごく新鮮でした。

「女ホン・ギルドン」って、聞いただけで興味が湧きますよね!

原典の洪吉童は、庶子として生まれたために、父を父と呼ぶことすら許されなかった人物です。

つまり、もともと「身分の壁を破る物語」なんですね。

そこに「女性である」という壁が、もう一枚重なります。

身分の壁と、性別の壁。ウンジョは、その両方を背負って走ることになる。

だから彼女が民のために動くとき、それは正義感だけの話に見えません。

自分がずっと押し込められてきた側だから、押し込められている人の顔が見えている。そんな説得力がありました。

そしてもうひとつ、注目してほしいのが「ギルドン」という呼び名です。

これ、伝説の義賊から取っただけの名前ではありません。

助けられた民たちが、彼女をこう呼びはじめます。

道の上の友、略してギルドン。そして、彼女の姓はホン(洪)。ホン+ギルドンで、ホン・ギルドン。

漢字の名前ではなく「道の上の友」から生まれた呼び名なのに、音だけが、あの伝説の義賊とぴたりと重なるんです。

ここを知ったとき、これ考えた人天才では?と思わず唸ってしまいました。

■「入れ替わり」という設定が、想像以上に面白かった

入れ替わりものというと、映画『転校生』(←古い!)や『君の名は。』が思い浮かびます。

でも、どちらも舞台は現代。

これを時代劇でやる、というのがあたらしい!

身分がすべての朝鮮時代において、魂が入れ替わった瞬間、大君と盗賊という立場も変わってしまう。

タイムスリップものだと二人は違う時代にいたり、憑依ものだと一方の意識は眠っていることが多いですが、この作品では入れ替わったあとも、二人がずっと同じ空間にいます。

その同じ空間にいる状況が、笑いにも転がるし、痛みにも転がる。

そしてこの作品、入れ替わりが起きるタイミングが絶妙なんです。

よりによって今か、という場面で入れ替わる。

剣を向けられている、追い詰められている——そんな緊迫した瞬間に、中身が入れ替わってしまうんです。

いつ入れ替わるかわからない状況にハラハラして、最後まで一気見してしまいました。

■ キャストが、全員良かった

ナム・ジヒョンは、私にとって長いおつきあいの俳優です。

『ショッピング王ルイ』のころから観ていて、そのあと『100日の郎君様』でも会っていて。『シスターズ』の役柄も良かったな。

時代劇はその『100日の郎君様』以来、約7年ぶりだそうです(韓国では「8年ぶり」と紹介されていました)。

久しぶりに時代装束の彼女を観ましたが、さすがの安定感でした。

そして今回いちばんの見どころは、中身が入れ替わったあとの演技です。

中身が大君になった途端、急にハキハキしはじめる。この切り替えが、お見事でした。


ムン・サンミンは、今まさに乗っている俳優ですよね。

『深夜2時のシンデレラ』ではキュンキュンさせてくれました~。

私は『シュルプ』で初めて観ましたが、あのときもソンナム大君という大君役でした。

でも同じ大君でも、まるで別人!

とにかく画面の中でキラキラしている。
この人、光の当たり方まで計算しているのでは? と思うくらい。

そして彼もまた、入れ替わったあとに本領を発揮します。

大きな体で、女性の魂として振る舞う。やりすぎればただのコントになるところを、ギリギリのラインで見せてくれます。

入れ替わったあとの、女性らしい仕草の演技がうまい!そしてかわいい!

この二人のケミも、とても良かったです。

ふと「この二人、結構年齢差があるんじゃない?」と気になって調べてみたら、4歳差。ナム・ジヒョンのほうが年上でした。

でも、二人とも遠慮することなく演技しているように感じて、結局この二人でよかったな、と思いました。


ハン・ソウンが演じるシン・ヘリムは、すごくかわいかったです。

ライバル役になって意地悪とかしちゃうのかと思いましたが、最後までかわいい人でした。


そして——ホン・ミンギ演じるイム・ジェイ。

この人が、個人的にはいちばんの発見でした。

序盤、正直かなり嫌な奴なんです。出てくるたびに「またこの人か……」となる。

ところが後半、気づいたら私、この人を応援していました。

いつ好きになったのか、自分でもわからない(笑)

それくらい少しずつ、こっそり変わっていきました。

■ 伏線回収がバッチリで、後半はうるっとくる

後半は涙腺が緩くなりがちで…

ウンジョとトウォル大君の思いや、民がギルドンを大事に思う行動などに泣けます。

序盤に何気なく置かれていたものが、後半で「そういうことだったのか」と繋がる瞬間が、何度もありました。

この作品、序盤はゆるいコメディの顔をしているけど、後半は意外と深いです。

軽やかに見えて、実は一つも無駄な場面がない。

公募展で優秀賞を受賞してから、撮影が始まるまで約5年かかっているそうです。

その数字を知ってから振り返ると、あの緻密さにも納得がいきます。

終盤はハンカチを用意しておくといいよ

5.まとめ 愛する盗賊様よはこんな人におすすめ!

✔ おすすめな人

・韓国ドラマを観はじめたばかりの方
・「時代劇は重そう」と敬遠している方
・入れ替わりものが好きな方
・身分差ロマンスが好きな方

✖ 人を選ぶかも

・ファンタジー要素(入れ替わり)が苦手な方
・時代劇に重厚な政治劇を求める方

ただ、入れ替わりに慣れてしまえば、あとは伏線回収を楽しむだけです。

そして冒頭で書いた問い。

なぜこの物語は、入れ替わりだったのか。

その答えを、このあとネタバレありで書いていきます。

6.配信情報|どこで観られる?

  • U-NEXT……見放題(日本初・独占配信)

日本で観られるのは、現在U-NEXTのみです。2026年1月3日から、本国と同時進行で配信されていました。

2026年8月22日から見放題になり、追加料金なしで全16話イッキ見できます。

無料トライアルもあるので、全16話であれば期間内に完走できる分量だと思います。

韓流観るなら<U-NEXT>

※配信状況は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。(2026年8月26日時点の情報)


■ ここから先は結末に触れます

まだ観ていない方は、ここで一度ストップを。観終わったら、また戻ってきてください。

7.結末をどう受け止めたか(ネタバレあり)

あらためて、なぜこの物語は、入れ替わりだったのか。

最終話。神様と思われる人を前に、子どもの頃のイ・ヨルが言います。

湖で助けてもらったから恩返しがしたい。命をかけて守る、と。

それを聞いた神様は、こう返します。

虚勢かどうか、見せてもらおう。

そう言って神様は、危機に直面したとき入れ替われるように、切り札を渡したのです。

入れ替わりだけが、彼女を生かしたまま、彼女の危険を引き受けることを可能にします。

そしてもうひとつ、驚かされたことが。

この神様、名前を聞かれると「名もない、ただの老人だ」と答えるんです。

ところがラストで、姿形を変えてずっとそばにいたことがわかります。

「名もない、ただの老人」。それは、ギルドンと同じではないか、と。

ギルドンもまた、彼女個人の名前ではありませんでした。

困っている人のそばに現れる、道の上の友

名前を持たない者が、名前を持たないまま、人を助ける。

ちなみに、ウンジョの母の名はチュンソム。原典『洪吉童伝』で洪吉童を産んだ母と、同じ名前でした。

完走された方、あの神様の正体、気づいてました……?

最後に一つ。『洪吉童伝』のあらすじを調べてから、もう一度この作品を見返してみてください。

原典を知ってから観ると、序盤の何気ない場面の見え方が変わります。

気になった方は、U-NEXTでチェックしてみてくださいね~♪